2008年7月19日 (土)

わらしべ長者

アジが釣れているという情報をもとに、いそいそと出かける。

イカ釣りも楽しいが、アジ釣りは大きなウキが一瞬で海に

吸い込まれるのを見るのが、こ・と・の・ほ・か楽しい。

まだ朝早い時間であったが、さすがにエサ屋さんは開いていた。

オキアミブロックを200円で購入し、近場のテトラポットに向かう。

「アジのお刺身。久し振りやなぁ…。いや。握りにしても…。」

釣る前から調理に思いを馳せる単細胞ではある。

さて、アジ用の長い竿に浮動ウキとサビキをセットし、沖へと

投げ入れた。

すぐに反応があったのは、エサ取りの外道であるスズメダイ

の幼魚。

「キミたちはあっちに行ってなさいね。子供のくる場所じゃない。」

などとたしなめつつ海へと返す。

3度目に投げ入れたとき、蛍光オレンジのウキが勢いよく海中

へと引き込まれた。

まぎれもなく本命のあたりだと確信し、ゆっくりとリールを巻くが

こ・と・の・ほ・か重い。

ひょっとして一荷かな?

釣り用語で2匹一度に釣れるのを一荷(いっか)と呼ぶ。

おそらく、振り分け荷物がその語源であろう。

だんだんと近づいてはくるものの強烈な締め込みである。

耐えてこらえて味わって…。

そろそろ銀鱗がぼんやりと見えてくるはず…。

ところが、海中に見えてきたウキの少し先に黒っぽい魚影。

「ヒラメや!」

どうりで激しいファイトをするはずだ。

竿が折れそうだったので道糸を手に取り慎重にテトラに

引きずり上げた。

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すぐさま腰に携帯したナイフで活け締めにする。

なぜサビキ仕掛けでヒラメが釣れたのか?

海の中では、ちょっとした事件が起こったようである。

サビキ仕掛けに掛かったアジを食べに来たのだろう。

マンガのような食物連鎖である。

さしずめわらしべ長者といったところか。

体調40cm。健康状態・優。

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左ヒラメに右カレイ。よく言われる見分け方ですね。

実はそのお口を見れば一目瞭然。

カレイは小さなエサしか食べないのでおちょぼ口なのに対し、

ヒラメは小魚を捕食するフィッシュイーターゆえ「ワシなんでも

食べますけん。」とばかりに凶暴な口なのだ。

「親をにらむとヒラメになるよ。」

ほら。

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さて、釣ったはいいもののプロの料理人でさえ面倒がるほど

ヒラメは捌きにくい。

釣り人は手におえず塩焼きにしてしまう人も多いが、そこは

私の愛用する名刀村雨くんの出番である。

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抜群の切れ味に物を言わせ、たちどころに5枚におろす。

えんがわも別々に切り分けたもののツマが無い。

冷蔵庫を物色するも、大根も大葉も無い。

「しょうがないなぁ…。」

生姜はあったけど。

まあ、見栄えはともかく辛口の日本酒だけは外せまいと

奔走する単細胞であった。

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2008年7月 6日 (日)

ハードボイルド

長い切り通しの坂道を登りきり、緩やかな左カーブにさしかかると、

ふたたび緑が濃くなる。

偏光グラス越しに見えるねむの木の花が微動だにせぬこと

から、無風状態であることが窺い知れる。

ステアリングに木漏れ日をいただきながら、長いつづら折の下り坂

が平坦になった頃、緑の切れた直線道路の正面に海が見えた。

崖沿いの一本道を道なりに左へ廻りこむと、右には初夏の海が、

おしげもなくその全貌をあきらかにした。

先程までの噎せるような草いきれはすぐに潮のそれにとって変る。

開け放したウィンドウから流れ込む潮風は、男の気持ちを奮い

立たせるには充分すぎるエネルギーを満たしていた。

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という訳で男前なハードボイルド路線は疲れるので、いつもの

ウスバカ日記へと戻っちゃったりなんかして。

梅雨が明けた途端にどしゃ降りとなった昨日は、おとなしく

作業場で細かな作業に没頭した。

一夜明けてPCで潮の状況をみるや、釣り道具を用意する。

ハードボイルドな道なりに辿り着いたのは十三里程はなれた

港町。

十三里って…伊能忠敬か?チミは?

栗より美味い十三里。…なんてぇことを申しましてぇ…。

もう。

能書きはいいから。釣れたの?

あい。

満潮が昼前であったため、少し勇み足ではあった。

得意とするポイントは足場が高いので、潮位が高いときこそ

実績があるのであった。

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そこはそれ、ここよ。と、右の腕をポンポンと叩き、投げ入れる。

何投かするうちにラインが「すっ!」と走った。

「誰だ?今引っ張ったヤツは!立ちなさいっ!」

体育教官のごとくいきり立った私は、すぐさま合わせをくれた。

軽い。

しかし…。海中での状況は想像できる。

「わ~いっ!エサぢゃぁ~っ!」と飛びついたイカが、上手に

掴めなかっただけの話である。

さて、ここから心理戦が始まる。

「あれ?な…今…掴んだはずだったのに…。」

こっち~だびょ~んっ!とばかりに餌木を躍らせてやる。

慌てて追随するイカの姿が海上からも視認できた。

すでにこっちのペースである。

竿を振って、再び逃げ惑う小魚を演出する。

もはや人形浄瑠璃の世界である。

「♪と~と~さ~ま~の~な~は~っ!」

手前まで追いかけてきたものの、さすがに違和感を感じて

いるようであった。

素早く回収し、「あれ?エサ…。今、追いかけてきたエサ…。」

と、イカが豆鉄砲を食らったようなヤツの右沖に餌木を投げ入れる。

moukun以下の知恵しかない哀れなイカは「こっ…これっ!」

とばかりに飛びついた。

斑紋から判別するに妙齢な女性であった。

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ああ。

刺身は飽きたし…。

思い切って塩茹でにでもしてしまおうかねぇ。

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2007年7月19日 (木)

別件

発注を受けていた品物が出来上がったので先方に

電話を入れてみる。

「お世話になります。ご注文の品これからお届けしようと

思うのですが社長、まだ事務所におられますか?」

「ああ、ええよええよ。気の毒やから取りにいくよ。」

「いえ。どうせ別件でそちら方面に行くからお届けしますよ。」

という訳で注文の品と「別件」のための「釣竿」を持参する。

海の近くに事務所を構える社長は水臭いことなど言わなく

てもいいのである。

納品をすませ、しばらく社長とおしゃべりをしてから海へ。

はい。釣れた。

ほらね。いわんこっちゃないのである。

360gメスのアオリイカ。

オス・メスは胴体の斑紋で区別がつく。

横に線上に走る斑紋はオス。

丸い点の斑紋はメスである。

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そそくさと自宅に戻り、マイ包丁、抜けば珠散る氷の刃

「村雨くん」を取り出すと手早く刺身にする。

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ラップをかけて冷蔵庫にしまうと今夜の晩酌の

アテは確保。

できる男は仕事が速いのである。(どっちが仕事?)

毎度この調子なので、海沿いのお客さんが声をかけて

くれたら喜んですっとんで行くのである。

釣竿を持って。

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2007年7月 1日 (日)

狼少年ケン

海岸に程近いお客さんのもとへ見積もりを持参する。

当然のごとく釣竿も持参する。

ところがイカの姿は見えたものの警戒されて沖へと

逃げられたあげく餌木が海藻にからまってしまう。

お気に入りの餌木ゆえ、なんとしてでも回収したい。

ゆっくりとラインをひっぱって海藻が千切れてくれること

を期待してたらフッとテンションが無くなった。

たぐりよせるも重みが感じられない。

どうやらラインのほうが切れてしまったようである。

哀れ、お気に入り餌木は海のもずくじゃなかった

もくずである。

ところが世の中捨てたものではない。

ふと左のほうを見やると中学生風の坊やが

海水パンツでわいわいと騒いでいる。

「少年よ。頼みがあるのだが。」

いきなり現れた不信なオッサンに警戒の色を露に

する少年達。

不良の匂いがぷんぷんする丸刈りの子に事情を

話すと、すぐに海に入っている少年に声をかけた。

「ケン!何か取って欲しいって!」

3人組のボスなのであろうケンと呼ばれたその少年

は、やはり見事な不良色をたたえている。

海から上がってきたケンに事情を話すと「はい。」と

答えて、ふてくされたような表情で私のあとに続いた。

「悪いなぁ。ノッてるところを。あそこの藻場よ。」

指差すほうを目指してケンは浅場を緩慢に歩む。

時折、私のほうを振り返り正確な位置を確認するケン。

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やがて「あ。これか。」と目ざとく見つけて引き返してきた。

「おお。ありがとう。お気に入りやったから助かったよ。」

と言いつつ「後でアイスでも食べてくれ。」とケンの手に

300円持たせてやると、さっきまでの不良色が一瞬の

うちに消え去り、少年らしい屈託の無い笑みがこぼれた。

「ありがとうございます。」礼儀正しく挨拶をすると、仲間

のもとへと帰っていくケン。

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かくして、お気に入りの「餌木猿松スペバージョン」は

私のもとへと戻ってきたわけであった。

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2007年5月22日 (火)

RAIDE ON TIME

午前中は木春くん家の現場に入っていたので、

午後から釣りに行く約束をした。

若手一号くんに「釣れたよ。」と写メール添付で、

挑発されていた経緯もあって、「今日こそは。」

と鼻息荒く出撃。

とある防波堤に到着すると、竿の支度をする。

とはいえ不精者である私はリールもラインも

さらにはエギまでセットしたままなので、二本継ぎ

の竿をつなぐだけ。

片や几帳面な性格である木春くんは竿袋から

おもむろに竿を取り出している。

そんな訳で一足先に竿を振っていると「グンッ!」

と重みが加わった。

生き物の反応がある。

ゆっくりと近づけて玉網で掬い上げた。

周囲で釣っていた人が集まってくる。

どうやら朝からきて、まだ釣れてない人のようだ。

「早いなぁ。もう釣れたんですかぁ。」

やっと支度を終えた木春くんがやってきた。

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イカは持ち帰って美味しくいただくために現地で

絞める。

目と目の間にある神経を刃物で断ち切ると一瞬

のうちに茶色の体色が白く変わるのだ。

ちょうど絞めた瞬間を木春くんが撮影してくれてた。

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その後二人並んでシャクっても全然反応が無い。

くたびれて防波堤に腰掛け、抜けるような青空と

エメラルドグリーンの海、遠くに霞む島々を眺める。

「ええねぇ。風が気持ちええ。」と言いつつ木春くんが

携帯電話を取り出した。

流れてきたのは山下達郎の「RAIDE ON TIME」。

しばらくぼんやりしてから帰路についた。

一日寝かせたほうが甘味が増すのであるが、私は

新鮮なコリコリ感が好きなのでたちまち刺身にする。

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冷蔵庫で冷やして今夜の酒の肴にするのだ。

ゲソは塩を振ってあぶっていただくとして…。

そうぢゃ。日本酒買いにいくべ。

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2007年4月29日 (日)

ペッパー警部

新緑の山道を下り、ゆるやかな左カーブを抜けると

右手一面に伊予灘が広がる。

カーステレオからはケニーGのソプラノサックスが

小気味良い旋律を奏でる。

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気持ちよく晴れ上がった海岸線にはカップルの姿

もちらほら見える。

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春は恋の季節。

それはイカにとっても同様であり、水温の上昇とともに、

浅い藻場にやってきて卵を産み付けるのである。

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テトラポット周辺を探っても反応が無かったので、

少し足場の高い場所から海中の様子を眺める。

偏向グラスというサングラスをかければ水面の

ぎらつきが無くなり、水中がよく見えるのだが、

写りの悪い写真をよく見てほしい。

中央やや下あたりにペアリングしているイカが見える。

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真昼間から公衆の面前でこのようなイカがわしい行為

に及ぶとは著しく公序良俗を乱したとして風紀委員の

私が黙っているわけにはイカない。

早速エギをカップルの少し沖に投げ入れる。

「イカコさん。ボクは前から貴女のことが…。」

「あら。嬉しいわイカオさん…実は私もよ。」

イチャイチャしているカップルの横をエギが通過

した途端にイカオが猛然と反応を示す。

イカコさんそっちのけでエギに飛びかかろうとする

男の風上にも置けない野郎である。

色気より食い気か?

かくなるうえは、身柄拘束の後しかるべき処分を

下し刺身にしてくれようぞ。

ところが急に追撃をやめたイカオは全身を真っ白の

警戒色に変化させ、まっしぐらにイカコのもとへと戻って

いったのである。

ふたたびよりそう二人じゃなかった二杯は捨て台詞

を吐いて沖へと消えていった。

「♪ひとの恋路を邪魔するヤツは、馬に蹴られて

死んじまえ~」

ちくしょう。イカのくせに。バカップル。

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2007年1月 4日 (木)

ズルい女

朝一番にれーじさんよりブログコメントを頂く。

オールナイトの釣行で1150gの立派なイカを

釣り上げたとのこと。

私自身は昨日、単独で釣行したものの、惨敗で、

お気に入りのエギを根掛かりさせて海の神様に

持っていかれてしまった無念の釣行であった。

早速リベンジを果たすため、いそいそと釣り道具を

用意するものの、木春くんとの約束を思い出す。

「新春に一緒に釣りにいきましょう。」

携帯電話でメールを送信してみる。

「明けまして烏賊がですか?」

返事が返ってこない。

仕方なく潮の状態等をネットで確認していると

返信がきた。

「いま起きました。もう出ましたか?」

いつも早起きの木春くんにしては珍しい。

身支度を終えて「OKです。」とメールが来る。

「向井千秋。」

マッハ号に木春くんを乗せると近場のポイントへ。

それぞれ思い思いに投げていると「!」。

手ごたえを感じ、合わせを入れると竿が弓なりに

曲がった。

手元には確かに生き物の反応があるけど、中々

引き寄せることができない。

「これは、ひょっとするとかなりの大物か?」

じっと耐えていると、ふいに軽くなった。

それでもイカが引いているのはわかる。

どうやら手前の藻場にイカがひっかかってたようだ。

抜き上げると300gの食べ頃サイズ。

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その後は、しばらく反応が無いので、木春くんに

近づき、だらだらとシャクっているとかなり手前で

「ズシッ!」と手ごたえがある。

「今度こそ大物!」

ゆっくりと巻き上げるが生命の鼓動が伝わらない。

手元まで巻いてきて確信した。

「やはり藻くんか。」

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「こいつはキターッ!と思ったのに…。」

うなだれていると木春くんが面白い事を言う。

「ルアーフィッシングをする人というのは、

根掛かりさえ嬉しいものらしいよ。

一瞬でも喜びを味わえるから。」

その通りである。

結果がっかりはするものの、その一瞬の「!」

という感覚は何物にも替え難いときめきである。

ときめきは短く、後でがっかりさされるとは、まるで

ズルい女にひっかかったような物である。

それでも、そのときめきを味わいたくて、沢山の

釣り人が日夜、釣行に向かうのであった。

ズルい女(シャ乱Q)

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2006年10月17日 (火)

抱いてくれたらいいのに

休日に仕事を入れると曜日感覚が希薄になってしまう。

気が付けば月曜日であった。

惰性で日常を過ごしていたのではダメだなぁと反省して

いると木春くんが訪ねて来た。

「南予の方の現場で下見して見積もりが欲しいんです。」

願ったりかなったりである。

行きましょう。

竿を持って。

かくして心のリフレッシュを求めてマッハ号に釣竿を

積み込み宇和海を目指す二人であった。

快晴ではあるけど風が出ている模様の、伊予灘に

沿う海岸通りを南下して行く。

前川清の曲に身をゆだねるべくCDを挿入するものの、

最近調子が悪くなったプレーヤーは、またもご機嫌が

うるわしくないご様子。

仕方ないのでカセットテープを挿入する。

ケニーGのソプラノサックスが「SONG BIRD」を奏で

始めると木春くんが「あっ。これはいいなぁ。癒される。」

でしょ。わかります?大人じゃん。

「けど前川清とかこんなの聞くからリズムが狂って

釣れなくなるんじゃないかなぁ?」

そうかもしれない。

しかしダッシュボードに溢れんばかりに入ってるCDは

プレーヤーのおむずかりで現在聞けない状態。

BENNY Kとか東京事変、果てはヒロシのテーマまで

幅広く取り揃えているのに。

現場の下見もそこそこに、本来の目的地に到着する。

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やはり風が強く吹き荒れているので水面はさざ波が立ち

沖の方では白波が点在する。

このような状態を漁師は「うさぎが跳ねる。」と表現する。

なんと詩的な表現であろうか。

感心している場合ではない。

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結局、最初のポイントでは難しいようなので移動する。

実績のある漁港に到着し、二人して激しく竿を振り回す

ものの、さっぱりである。

「やっぱりあんなの聴くからかなぁ…。」

イカ釣りはエギと呼ばれる疑似餌に激しくアクションを

与えて逃げ惑う小魚を演出し、イカの捕食本能を刺激

してエギを抱かせる釣り方のため、リズムが大切である。

次のポイントに移動して早速、防波堤に駆け上がる

木春くんを尻目に立小便をしていると、「来たよ!」

「うそっ!」

「大きいよ!」

「まっまじでっ!」

松茸の露を切るのもそこそこに駆けつけると防波堤

に抜き上げられた見事なイカが激しく墨を吐いた。

「まだ何杯か回りに寄って来たみたい。」

がぜんやる気が出てトライするも姿すら見えない。

もう前川清は聴かない。

結局次のポイントでコロッケサイズを一杯のみ。

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その他、沖のほうで大型がヒットするも痛恨のバラシ。

挙句の果てには触腕だけが釣れたり。

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悔しいのでそのまま食べてやった。

甘くて美味しい。

最後のしめに買ったばかりのエギを根掛かりさせて納竿。

リフレッシュどころかストレスの溜まる釣行となってしまった

が夕日がそれを癒してくれる。

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木春くんの言う通りケニーGは帰り道に似合う曲のようだ。

KENNY G 「LOVE SONG」

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2006年10月 6日 (金)

噂の男

寝覚めの激痛は筆舌に尽くしがたいものがある。

それでもコツをつかんできたのでスローモーションの

ような動きで40秒くらいかけて立ち上がる。

冷蔵庫にたどりつき、メグライアンのサイン入りの

ネスカフェ赤カップに牛乳を注ぐ。

腰に手をあてて、男らしく一気飲み。

すぐさまコーヒーを注ぎ、リビングで煙草を一服。

「ピキ~ン!」

メールが入る。

木春くんである。

「今からイカ行きませんか?」

ご丁寧にニッコリマークの絵文字入りである。

行きたいのはやまやまであるが、胸が痛い。

しかも台風の影響で風が出ている様子である。

「乙です。今日はリタイヤします。」

日課の散歩に出かける。

秋祭りののぼり旗が風になびいている。

神輿の通り道には「紙垂」が飾られ、厳かな雰囲気

を醸し出している。

田畑が少なくなった昨今では五穀豊穣を祝う秋祭りも

若干その色合いが褪せてみえる。

案の定、風が出ている。

低層を流れる雲の動きもかなり早い。

風が強いと思い通りの釣りができないのである。

気が付くと釣竿を乗せたマッハ号のハンドルを

握っていた。

思えば明日からまたお遍路くんになってしまうのである。

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想像通りうねりが出て風が強い。

風を避けれる場所を探して移動してゆく。

季節が良くなってきたので先客が沢山いる。

混んでない所で投げてみると、イカは寄ってくるが

エギを抱いてくれない。

どうもこのところ調子が悪いのである。

前川清がいけないのかなぁ。

去年はクレイジーケンバンドを口ずさんで大漁を

繰り返したのに。

「♪ぅおんなぁ~~~ぐぅおぅをぅ~ころぅのぉ~~

かぁなぁしさぁなんて~わかぁりゃぁ~しなぁいわぁ~」

ヤケクソになって熱唱していると手前で飛びついた。

派手に墨を吐いて抵抗したが強引に抜き上げる。

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コロッケくらいの食べて美味しいサイズ。

「何故釣れるかって?釣れるまでやめねぇからだ!」

杉原名人のセリフを口にして引き上げる。

遊歩道になっている道をひきかえすも、海が荒れて

いるので危険な状態。

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へたをすると全身ずぶぬれになってしまい、

「♪つらい、つらいぅわぁ~~~」である。

慎重に引き波を見極め、事なきを得た。

マッハ号で自宅近くまで戻っていると隣りの車線で

誰か手を振っている。

木春パパだ。

憮然とした表情でハンドルを握る木春くんは、急な

仕事が入ったのであろう。

どうりで現場で見かけなかったはずだ。

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2006年7月26日 (水)

昭和歌謡

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歌は世につれ世は歌につれ

歌は流れる貴女の胸に

松山から単身上京しましたいち青年が

都会の荒波にもまれながらも

今宵、貴女の目の前に

燦然と光り輝くひとつの星となって還ってまいりました。

演歌ひとすじ41年。

moukunが心を込めて唄います。

曲は昭和のヒット作。

八代亜紀さんでおなじみの「舟唄」です。

それでははりきってどうぞ!

♪お酒はぬるめの~燗がいい~

 肴はあぶった~イカでいい~

 女は無口な~ひとがいい~

 肴はあぶった~イカでいい~ チャチャチャチャチャ

 しみじみぃ~飲めばぁ~

 しみじみとぉ~おぉぉぉ~

 肴はあぶった~イカでいい~ぃぃぃぃ

 涙がぽろりとぉ~こぼれたらぁ~ぁぁぁぁ

 肴はあぶったぁ イカでいい~

 

というわけでイカが食べたいなぁと思い、

久しぶりにイカ釣りに向かおうとしたものの

最近では太刀魚が好調との噂を耳にした。

早速支度を調え、マッハ号を駆る。

夕まづめから日没後一時間くらいが時合いとの事。

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ぽつぽつと釣り人が増えてくる。

皆えさのキビナゴで太刀魚を狙っているようだ。

ルアーを投げるのは私一人のようである。

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足元がテトラなので調子にのって写メールしてると

携帯電話を水没しかねない。

ビッグウェンズディ事件で保証金を使い果たしたので

今度、やらかすと高いものにつくのである。

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気が付くとあたりはすっかり闇が支配している。

えさ釣りの人々の赤い電気ウキが海面に並ぶ。

誰一人としてウキに反応のある気配も無い。

あきらめムードが横一列に並ぶ。

さっきから地元のおじさんが夕涼みがてら

隣りの釣り人と釣り談義をするのが耳に入る。

「雨が降ったけんかなぁ。今日は入ってないなぁ。」

「先日は良かったんよ。朝やったけど。そうそう、

土曜日よ。朝の3時くらいにここで釣りしよったら、

後ろのほうでドパ~ンて大きな音がしたんよ。

それから30分くらいしたら救急車やら警察やらが

集まってきてなぁ。

26歳の女の子やったらしいで。かわいそうになぁ。」

釣り人は変な時間に変なところにいるので見なくても

いいものを目撃することが多いようである。

地元のおじさんもそれを受けて自身が海に身投げを

しそうな女性を助けた武勇伝を語っていた。

それにしても最近は命を粗末にする人が多すぎる。

惚れたわたしが悪いのか

騙した男が悪いのか

咲かせてみせましょ恋の華

死んで花実が咲くものか

釣れぬ私の影法師

肩を落として帰る道

釣らせてください今度また

それではみなさんごきげんよう。

 

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2006年6月20日 (火)

お魚天国

Nec_0017_2

仕上がってない見積をほったらかして、気が付いたら

マッハ号に竿を積んで海へと向かっていた。

途中で知人の車とすれ違った。

向こうも気づいたので右手を高く上げておいた。

目当ての港につくと携帯に不在着信表示。

さっきの知人だ。

「おへっ。何か用事?」

「頼みたいことがあってmoukun家に向かってたら

すれ違ったんで電話したんよ。」

「あーっ。ごめん今から現場の下見。」

Uso

「何時くらいに帰る?」

「うーん、お昼くらいかなぁ。」

「じゃあ昼から行くわ。」

邪魔者を蹴散らして身支度を済ませ現場へ。

このブログのトップにある私がかけているサングラス

は男前を隠すためではない。

偏向グラスという物で、海面の光の反射を抑え、

海中を見えやすくさせるスグレ物である。

早速、海の中にいろんな魚を発見する。

手前に二匹のカワハギがウロウロしていた。

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左からは30cmを越すアジの群れが横切った。

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さっきから投げ続けるがお目当てのイカはどうなのよ。

エサ釣りにしたら良かったかなぁ。

そんな気持ちを逆撫でするかのようにヤズが横切る。

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ブリの幼魚である。成長と共に呼び名が変わる。

それにしても反応がないぞ。

ブルーのテーマが流れ始めた頃、白い影が手前に

ゆらめく。

余談だがプロコル・ハルムの「青い影」いいねえ。

すわイカの影かとおもいきやオデコの突き出たその

魚影は60cmくらいあるコブダイじゃないか。

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「イカやってんの?ご苦労さん。(笑)」

コブダイにバカにされつつ投げていると「!」

みーつけた。

5m先をイカが泳いでいるのが見える。

少し沖にエギを投げ込みアクションをつける。

「お嬢さん。お時間よろしければお茶でも如何ですか?」

「いいわよ☆」

まんまと私の毒牙にかかったのは300gのオスだった。

Nec_0020_1

しかも写メールがマクロオンになってボケボケ。

クーラーを持ってきてないので即退散する。

一人だけ釣り人を発見したので挨拶しに行くと

知り合いの電機工事の人だった。

「何を狙ってるの?」

「チヌ。」クロダイの方言である。

Fish0700

あれこれ近況をおしゃべりしてから家路をたどる。

きっちり遊んだらきっちり仕事をする振り子の原理

で生きている中条きよし似のmoukunです。

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2006年5月19日 (金)

もっと強く抱きしめたなら

昨日は午後から現場に入っていた。

あちこちから見知った顔が「moukun!」と

声をかけてくれた。

身体を摺り寄せてくる変態っぽい人もいる。

ありがたくも、おぞましい事だ。

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さて、一夜明けて…。

台風の影響で天候が異常である。

朝はめずらしく晴れ間が見えた。

本能が強く示唆する。

「なにもかもホッポリ出して釣りに行きなさい。」

本能の趣くまま右側の脳味噌だけで生きている

私は、何かに憑かれたように道具を用意した。

マッハ号にすべて積み込むと時代錯誤も甚だしく、

WANDSの「もっと強く抱きしめたなら」を大音量で

聞きつつ俗世間に背を向けるのであった。

出発してすぐに、どしゃ降りになりワイパーを最強に

したが、不思議と確信をもちアクセルを開けた。

現地に着くと小降りになっていた。

合羽など用意してないが濡れても平気だ。

気持ちが勝っている。

ゲゲゲの鬼太郎のごとく気を感じるのである。

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「父さん。妖気です。」

頭に巻いたタオルの中央が激しく盛り上がる。

角のポイントではイッセー尾形がウキ釣りをしていた。

仕方なく少し離れた足場の悪いテトラから投げる。

雨が降ったあとだったので真水を嫌うイカは底に

沈んでいるはずである。

しっかり沈めて小さくアクションを繰り返していると

手前の方で重くなって動かない。

「また地球釣っちゃった…。」と思った瞬間

「ジリッ。ジリッ。」生体反応がある。

竿は弓なりに曲がり、なおもラインが引き出される。

腕力には自身のある私をこれほど楽しませてくれるのは

もはや本命のアオリイカに違いない。

底にむかって潜ろうとするヤツを少しずつ浮かせていく。

姿が見えた。間違いない。綺麗な茶色だ。

背負った玉網を伸ばして掬い上げた。

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「でかいですねー!」イッセー尾形が叫ぶが相手に

してられない。スマイルだけ投げておく。

テトラを駆け上がり、携帯電話のカメラで撮影しようと

モニターを開くとメール受信表示がある。

木春くんであった。「釣具屋さんに行きませんか?」

それどころじゃないので、電話をかけて詳細を伝えた。

ここのところボウズ続きだったが、やっと結果が出せた。

「やったよ。父さん。」

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自宅に戻ると木春くんが待機していた。

しっかりと見せびらかす。

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胴長35cm、触腕までいれると70cmもある。

目の周りのアイシャドウが美しい。

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お手柄エギはアオリーQマーブルサクラダイ3.5寸。

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電子レンジのクックスケールで重さを量ろうとしたが

大きすぎてエラーになるので胴体とゲソに分けて量る。

結果 胴体885g+ゲソ765g=1650gだった。

デカイカは一度冷凍したほうが甘味が増すらしいので

セオリー通り冷凍庫に保管した。

あとはじっくりと調理法を考えることにして、午後からは

仕事のヤボ用で西条市へとマッハ号を駆るのであった。

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2006年5月12日 (金)

君に薔薇薔薇

「五月雨を、あつめて早し、最上川」 松尾芭蕉

というわけで雨が降ったあと、釣りに誘われる。

川でスズキを狙おうと声をかけてくれたのは

木春くんである。

すでに大物の実績を数多く持つ彼は、いろいろな

アドバイスをくれ、わざわざリール用のラインまで

買ってきて巻きなおしてくれたり、ご隠居の面倒を

本当によくみてくれるのだ。

潮の状態により午後8時に出発。

河川敷にマッハ号を止め、重装備に着替える。

胸元まであるゴム長(ウエーダー)を履き、タックルボックス

を背負い、頭にヘッドランプを装着。

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暗闇で着替える二人は、どうみても怪しいオジサンだ。

真っ暗の藪をかきわけ川にでる。ものすごい流れだ。

ここまでで、すでに小学校の夏休みに先生と交わした

お約束を三つもやぶっちゃった。

「夜6時以降の外出はやめましょう。」

「増水した川に近づかないこと。」

「危険な場所へは大人の人と一緒に行くこと。」

あいにく二人とも少年のままである。

ゴメンネ先生。

ザブザブ場所移動しながら投げるがサッパリだ。

それでも月明かりが美しい。

夜空を見上げ、北斗七星をみつけたとき背後で

「バッシャーン!」と魚が跳ねた。

「ウープスッ!」

びっくりしたぁ。河童かと思うじゃないか。

その後、釣りの知人2人と合流してしばらく続けたが

またもボウズ記録を更新して、まだ粘る2人に挨拶し、

帰路をたどった私と木春くんだった。

今朝になって、投げ出していた道具を片付けた。

ウェーダーは陰干ししておかないといけない。

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娘が帰ってきたら「ギクッ」とするだろうから

このまま放置しておこう。いい思い出になるだろう。

竿を片付けていると裏庭が視界に入った。

おっ、いつのまにか咲いてるじゃないか。

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ほうりっ放しでも自然の力はたいしたものだ。

そうそう、サラさんは感激屋さんだから、きっと

「きゃーっ!」とか言って喜んでくれるに違いないぞ。

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2006年5月 4日 (木)

湘南爆走族

朝の7時に木春号がバックで入ってくる。

荷台にはハシゴが積んであるがもう一本

必要なので私のトラックに積んであるハシゴ

も積み込んで出発。

もちろん釣竿も忘れてない。

宇和町の現場の下見とあっては釣りをしない手は

ないのである。

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途中のトンネルを抜けたあたりで木春号が

異変を起こす。

アメリカあたりの排気量の大きな車のような

爆音がするのである。

原因はマフラーで、当初先っぽが外れただけか

とおもいきや、根元から腐食して外れている。

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暴走族みたいな音がするはずだ。

現場は後回しにして先に海に到着。

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風もなく、べたなぎの状態だった。

この時期は透明度も高い。

んっ。何か変なのが浮かんでるぞ。

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クラゲ君かぁ。まぎらわしいぞ。

ポイントを移動しながら投げてみるも反応無し。

墨の跡があるので釣れてはいるのだろうが。

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よし。イカがダメならタコがあるさ。

浜辺まで降りて目を凝らすが見当たらない。

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防波堤に戻り、飽きずに投げていると「!」

きたきた。この感触が欲しかったのだ。

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「…。」

「…。」

藻くんか。

しゃれてる場合でもない。

でっかな網までしょって、なにをやっているんだ。

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結局ボウズ記録を更新しにきただけで、

爆音を轟かせながら現場へと向かう二人であった。

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2006年4月28日 (金)

珍客到来

片付けたつもりが、新たな仕事が午後3時位に

舞い込んできた。

納期を聞くと大丈夫そうだ。「了解!」と

今日の仕事を明日にうっちゃって釣りに行く。

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先日のアジで懲りたので、水温は低いがイカ目当て。

狙うはイカ類で最高の食味を冠するアオリイカである。

寿司ネタとして珍重され、スーパーに並ぶ事はまれである。

しかも春は大きな型が期待できるのだ。

一杯が2Kg,3Kgなんてバケモノが上がるのだ。

考えてもみて下さい。家族で食べきれますか?

かくして私はモチベーションを上げるために、

イカ釣りの前の精神統一として下記のサイトで動画を

見ることにしている。

餌木ING極意

これを見れば自分にも簡単につれそうな気分になる。

鼻息も荒く目指す漁港に到着すると道具をかかえて

波止の角を目指す。

はて、先客が居る。

もう少し速く出発するべきだったのかなぁ。

まあ、いい。情報収集が大切だ。

「上がってますかぁ?」

「いや、まだ水温が低いから…。」

…井上揚水のようなサングラスをかけているが、

どこかで見かけた顔である。

自分の釣り座を確保して「!」ひらめく。

「猫ゆき君や!」

以前、別の漁港でイカ釣りの時に遭遇し、強風であるにも

かかわらず2杯GETしていた彼に尊敬した私は、釣りの

師匠である木春くんにその事を話すと、「それって、この

ページの子じゃない?」と、見事に猫ゆきくんのHPを

私のパソコンに表示したのである。

ほどなく、かの猫ゆき君が玉網で獲物をキャッチしている姿

が視野に入って駆けつける。

狙いのアオリイカではないが、ナイスサイズの甲イカである。

「いいなぁ~。」と羨ましがる私に適切なアドバイスをくれた

猫ゆき君であった。

アドバイスに従い、場所移動して投げていると「!」

きたきた。にっこりして引き上げたのはコレ。

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「なんだキミは?」

「私」ナマコっていいまんねん…。」

「帰れや!」

冷たくあしらって、再びテンションを戻す。

「グンッ!」きたきた。にひひひっ。

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「君の名は?」

「ナマコですがな♪」

「帰れや!」

うまくいかないものである。

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もうすぐ夕まづめ。

釣れる時間帯である。

ところが猫ゆき君は帰り支度をして「乙です。」

って帰っちゃった…。「!}

釣り座を譲ってくれたのである。優しい男だ。

気を良くして投げるも反応なし。

ザッパ~ン!足は水浸しになる。

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ふんだりけったりだ。

夕日だけが私の心のよりどころだ。グスン。

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結局、坊主のまま帰路についた私はスパイダース

の「夕日が泣いている」を絶唱するのであった。

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