2017年9月 1日 (金)

緊張の夏

裏庭に藪があるので、日中も作業場に薮蚊が出る。

私はもともと酒飲みで汗かきゆえ、二酸化炭素に誘引される蚊の餌食である。
RH+ A型の血液を、無遠慮に奪っていくのである。
もとより血の気が多いから、血液を奪われること自体に文句があるのではない。
問題は、ヤツらが自らの麻酔によって残してゆくかゆみである。
さされた跡の膨らみに恨めしく爪で×印をつけてもやるせないだけである。
怒り心頭に発した私は近所のドラッグストアで昔懐かしい蚊取り線香を購入。
ご存知のとおり渦巻きが抱き合わせとなり、二枚がつながっている。
せっかちな方は、双方をひきはがそうと躍起になって中途半端に砕け散った経験をお持ち
でしょう。
ペケである。
二枚組みをひきはがすコツは中央部を少し指でずらしてやり、片側の中央部のみをつかん
で、水平上下に小刻みに揺すってやるのである。
慣性の法則に従い、やがて二枚は独立した渦巻きへと分離することとなる。
渦巻きの一端に火を点し、やがてたちのぼる香りはノスタルジーを伴いつつ室内を漂う。
除虫菊という植物を活用して蚊取り線香を開発したのは尾道の方だと耳にした。
当初は仏壇の線香よろしく真っ直ぐな品であったらしい。
ところが落語の廓話でもおなじみのように、いかんせん火持ちが悪い。
そんなある日。
開発者の奥方が、普段は足を踏み入れない裏の蔵に、ふとした用で立ち入った。
探し物をしているうちに、隅っこで丸まっている塊を発見する。
「なんでっしゃろ?」と近寄ると、それはとぐろを巻いたヘビであった。
「ぎょえ~!@△〇※!」
大声にびっくりして蔵に駆けつけた旦那さん。
なんや・・・ヘビか・・・アホか・・・!
そこで閃いたらしい。
とぐろを巻く螺旋状。
これこそが燃焼時間を延長させるカギとなったのである。
けど。
よう考えたら。
吉原に螺旋状の線香おかれたら・・・殺生や・・・

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2017年5月 3日 (水)

エオリア

思いついてエアコンを購入することにした。

実を申せば現在の中古住宅に引っ越してからの二十年間、エアコンの無い暮らしを貫いてきたのであった。
それというのも立地に恵まれ、市街地に近いわりに周囲は水田に囲まれるぼんやりとした環境ゆえ、窓を開けて扇風機さえ稼動させておけば十分に凌げたのであった。
それでもさすがに温暖化が加速しているのは実感していた。
一階は作業場として各種機材で場所をとるが、二階は以前の家主さんの見栄っ張りぶりが痛感できるほどにリビングがだだっ広い。
おまけに故障したままで風の出ない昔ながらの家具調エアコンが壁に置き去りにされていた。
アパートを転々としてきた身には十八畳の空間を暖めたり冷やしたりという効率の悪さは身にしみて感じる。
竹之内豊のコマーシャルではないが、私は暗くて狭いところが好きなのである。
それでも妻の更年期障害が加速していることも気になって思い切った。
エディオンに赴くと美人の担当が親身に検討してくださった。
ゴールデンウィークにもかかわらず、男前の三十代、AV男優のような逞しい青年が取り付け工事にきてくださった。
私自身も現場に赴くことが多いので、頃合をみはからってお茶の用意や、気配りは怠らない。
作業内容を眺めているうちに、自宅にある工具を使ったほうが楽に作業できるであろうと判断すれば、おせっかいながら直ぐに進言する。
結果、おせっかいではなく便利な工具によって先方の段取りは順調に進んだようだ。
試運転は20度で寒いくらいに行われた。
交換前より随分とコンパクトになった本体が無残にも壁のクロスの貼り残しを露呈する。
早速ホームセンターで似通った壁紙を購入し、えいやと貼り付けた。
今年の夏は少しだけでも凌ぎ易いとも思える。

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