世にも微妙な物語
一畳程度の個室で着替えを強要される。
手渡されたのはよくある手術着と紙でできた紺色の
トランクス。
なぜかスケベパンツのような穴が開いている。
・
先日の健康診断で便に潜血が認められたことは、北海道
行きを阻止されては嫌なのでワイフには秘密にしておいた。
ばれるやいなや大病院での精密検査を余儀なくされた今日。
・
スピードワゴンの小沢さんに似た先生が、幼稚園児をさとす
ように検査の概要を説明してくれた。
とびっきり恥ずかしい格好を美人看護師さんに見られる
くらいなら、いっそ逃げ出してしまおうとも考えていたが、
優しそうな彼になら身を任せてもいいわ。うふ。
どうにでもなれいっ!
・
ところが甘いマスクでも、やることは甘くないのであった。
チューブを挿入する前段取りのために、私の恥ずかしい穴
に潤滑ゼリーが塗られる。
「これは…どこで購入できるので…。」
余計な質問の届かぬままに、小沢さんの中指が胎内に。
「うっぷすっ!」
優しくしてくんなきゃヤダ。
男として、これほどの喪失感と屈辱感は経験が無い。
「はい。チューブはいりま~す。」
ニューボトルみたいに軽く言うけどさぁ…。
「うっぷすっ!」
・
おそらく、痔を患われた人には無理だと思う。
なぜならチューブの脱落を防止するために直腸内部と肛門
の外側、双方からバルーンを膨らませて圧迫するのである。
・
「はいっ、はいりま~す。」
先生がマイクで合図すると、大腸の内部にトロトロとバリウム
が挿入されるのが手にとるように解る。
手にとらないけど。
「次、空気はいりま~す。」
嗚呼。子供の頃にカエルをいじめた罰だよね。これって。
その後X線を浴びせられながら、様々な痴態をとらされる。
「はいっ!い~ね~っ!いまの表情。グッドですぅ~!
今度は人を待っているような表情で。はいっ!アクション!」
ポージングも板についてきた頃、ふと隣接するモニターが
目に入る。
なんと!おのれの腹の内が丸見えではないか!
ああ。この映像。何人も見てもらいたい人がおるぞよ。
せめて今ならバリウムのお陰で腹は黒くないのに。
・
モデルとして一人前の自覚が芽生えた頃、撮影会は終了。
禁は解かれた。
・
重くのしかかるやるせなさに内股で着替えに戻ると、次の
患者さんが着替えを終えてでてきた。
まだうら若い美人の患者さんを目の当たりにした私は、当然
天性のいたずら心が頭をもたげ、究極の苦悶の表情で不安
をあおろうなどと考えたが、今日は許してあげた。
・
検査のためにプチ断食をしていたお腹を満たすため、病院に
併設されたファミマでお茶とサンドウィッチを購入する。
たった一日で、精神的には力石徹状態の我慢のない私である。
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コメント
moukunさん、こんばんは。
いやぁ~・・・何てことなんですかっ、もぅ!
満身創痍ぢゃありませんか。
・・・と書きつつ、微妙な体験記に
笑ったり、こっちまで苦しくなったりと大変でした。
本当に異常が無いことをお祈りしています。
・・でね、私、明日、健診なんですよぅ!
午後9時からは飲酒もできないわ~。
あ~エコエコアザラク・・・
て、自分に呪文をかけてどうする!
投稿: 水無月 | 2008年12月 1日 (月) 18時54分
水無月さん、こんばんは。
うんうん。
泣きっ面に弱り目なのよ。(笑)
けどね。
新しい年の前の厄落としと捉えて、来年への
準備のつもりで右往左往しております。
だって。
もっともっと人生楽しまねば。ねぇ。(笑)
ハスラー2という映画で、眼鏡も新調して
若者に挑むナイスミドルの姿が脳裏にあります。
折角、両親から授かった五体満足と、ひとつ余計
な突起物。(笑)
いつまでも元気一杯、社会に笑っていただくために
一意専心で望む所存です。(笑)
・
水無月さんも検診なのですか?
美人薄命とはいかせませんよ。
まだ、あなたを見れぬままに。
投稿: moukun | 2008年12月 1日 (月) 19時08分
おはようございます。
今度は大腸の精密検査ですか。
大変ですね。
私は基本的に病院が好きではないので、こういう検査もしたことがないのですが、なんだかスゴイものですね。
本当に異常がないことを祈っています。
膝の具合はだいぶ良くなってきましたでしょうか?
投稿: 静 | 2008年12月 2日 (火) 07時39分
こんにちは~♪
痔になったときに経験しましたよ。
触診だけでしたが・・・
アレは喪失感がたまりませんでしたよ・・トホホ。
しっかしmoukun、体ヤバイんじゃないでしょうか?
この際、禁煙・禁酒ですよっ!
む・・・無理かぁ・・・な?
お大事に~。
投稿: tuitui | 2008年12月 2日 (火) 14時00分
静さん、こんばんは。
そうなのですよ。
私自身、病院が嫌いで、痛くても痒くても
抜き足差し足忍び足で逃避していたのですが。
(笑)
けど、今回はさすがに参りました。
恥辱感も伴って、「ああ。人間なんかに生まれる
んぢゃなかったなぁ…。」とさえ思わせる屈辱
でした。(笑)
反面、「ネタになるね。これは。うん。」という
お調子者の万年少年の私。
・
お気遣いありがとうございます。
膝のほうはかなり回復にむかっております。
元気しかとりえの無い男ゆえ、万全の体制で
新年を迎えたいと考えます。
(笑)
投稿: moukun | 2008年12月 2日 (火) 17時16分
tuituiくん、おひさ。
ああ。
そういえば、そんな話聞きましたねぇ。
(笑)
出ちゃったんだって?
経験がないけど想像するだに怖い病です。
でね。
検査前に腸内を空っぽにするために座薬も
自分で挿入してみました。
ひとづてに菊に←聞くに、呼吸を吐きながら
入れないといけないらしいですね。
難儀しました。
ヒッツヒッツフゥーみたいに。
でね。
うまく入った後。
本能的に中指の香りを確かめてしまう幼稚な
私の姿がありました。
なんだか…お醤油みたいな匂い。
…笑うなよ。みんな同じだよ。(笑)
ん?
禁酒?
禁煙?
私から酒と煙草を取り上げたら…何が残るんだろう?
投稿: moukun | 2008年12月 2日 (火) 17時25分
ご無沙汰で~す。
久しぶりに伺ったら、いきなり。。。
でも、わたくしも経験者なのです。
大腸がんなんてあるわけないとかる~い気持ちで。。。
でも結果、大腸ポリープ。
どうぞよい結果が出ますように。。。
投稿: wakazukuri | 2008年12月 3日 (水) 22時54分
wakaさま、こんばんは。
え。
え゛~っ゛!
wakaさまも…。
あの修羅を経験なされたのですか。
うう。
父がポリープ。
祖母が大腸ガンで早世のサラブレッドに
明日…今日か。
沙汰が申しつけられます。(笑)
うう。
投稿: moukun | 2008年12月 4日 (木) 02時44分